最近、ハマズのイスラエルへの奇襲がありました。そしてイスラエルが戦争状態と宣言しました。大きな人的犠牲が必至で心が痛みます。私は衝撃を受けていますが、今回のような事態をもたらしている根本原因は、①人間の自我、②民族の集団心理、③民族の増殖欲求です。
そこで、それをひもとくため、旧約聖書から以下の3つの話を引用します。これらの話について、私がどのように考えるのかは後日ブログにアップします。
(旧約聖書 創世記 第12章)
時に主はアブラハムに言われた。「あなたは国を出て、親族に別れ、父の家を離れ、私が示す地に行きなさい。私はあなたを大いなる国民とし、あなたを祝福し、あなたの名を大きくしよう。あなたは祝福の基となるであろう。
あなたを祝福する者を私は祝福し、あなたをのろうものを私はのろう。
地の全てのやからはあなたによって祝福される。」
アブラハムは主に言われたようにいで立った。ロトも彼と共に行った。アブラハムはハランを出たとき、75歳であった。
アブラハムがウルを出たのは、紀元前1500年ころといわれており、この聖書の言葉は、アブラハムが唯一の神ヤーヴェの存在を自覚した言葉とされています。しかし、私は、一人の人間が自我に目覚めたことを示す言葉と捉えます。
人間にとって自我の意識ほど厄介なものはありません。自我は禍福の原因です。
(旧約聖書 創世記第34章)
レアがヤコブに産んだ娘デナはその地の女たちに会おうと出かけていったが、その地のつかさ、ヒビびととハモルの子シケムが彼女を見て、引き入れ、これと寝てはずかしめた。彼は深くヤコブの娘デナを慕い、この娘を愛して、ねんごろに娘に語った。シケムは父ハモルに言った、「この娘をわたしの妻にめとってください」。さてヤコブはシケムが娘デナを汚したことを聞いたけれども、その子らが家畜を連れて野にいたので、彼らの帰るまで黙っていた。シケムの父ハモルはヤコブと話し合おうと、ヤコブの所に出てきた。ヤコブの子らは野から帰り、この事を聞いて、悲しみ、かつ非常に怒った。シケムがヤコブの娘と寝て、イスラエルに愚かなことをしたためで、こんなことをしてはならぬ事だからである。
ハモルは彼らと語って言った、「わたしの子シケムはあなたがの娘を心に慕っています。どうか彼女を彼の妻にください。あなたがたはわたしたちと婚姻し、あなたがたの娘をわたしたちに与え、わたしたちの娘をあなたがたにめとってください。こうしてあなたがたとわたしたちとは一緒に住みましょう。地はあなたがたの前にあります。ここに住んで取引し、ここで財産を獲なさい」。シケムはまたデナの父と兄弟たちとに言った、「あなたがたの前に恵みを獲てください。あなたがわたしに言われるものは、なんでもさしあげましょう。たくさんの結納と贈り物とをお求めになっても、あなたがたの言われるとおりさしあげます。ただこの娘をわたしの妻にしてください」。
しかし、ヤコブの子らはシケムが彼らの妹デナを汚したので、シケムとその父ハモルに偽って答え、彼らに言った、「われわれは割礼を受けない者に妹をやる事はできません。それはわれわれの恥とするところですから。ただ、こうなさればわれわれはあなたがたに同意します。もしあなたがたのうち男子がみな割礼を受けてわれわれのようになるならば、われわれの娘をあなたがたに与え、あなたがたの娘をわれわれにめとりましょう。そしてわれわれはあなたがたと一緒に住んで一つの民となりましょう。けれども、もしあなたがたがわれわれに聞かず、割礼をうけないなら、われわれは娘を連れて行きます」。
彼らの言葉がハモルの子シケムとの心にかなったので、若者は、ためらわずにこの事をした。彼がヤコブの娘を愛したからである。また彼は父の家のうちで一番重んじられた者であった。そこでハモルとその子シケムとは町の門に行き、町の人々に語って言った、「この人々はわれわれと親しいから、この地に住まわせて、ここで取引させよう。地は広く、彼らを入れるにじゅうぶんである。そして、われわれは彼らの娘を妻にめとり、われわれの娘を彼らに与えよう。彼らが割礼を受けているようにもしわれわれのうちの男子が皆、割礼を受けるなら、ただこの事だけで、この人々はわれわれに同意し、われわれと一緒に住んで、一つの民となるのだ。そうすれば彼らの家畜と財産とすべての獣とはわれわれのものとなるのではないか。ただわれわれが彼らに同意すれば、彼らはわれわれと一緒にすむであろう」。
そこで町の門に出入りする者はみなハモルとその子シケムとに聞き従って、町に出入りする全ての男子は割礼を受けた。
三日目になって彼らが痛みを覚えている時、ヤコブのふたりの子、すなわちデナの兄弟シメオンとレビとは、おのおの剣を取って、不意に町を襲い、男子をことごとく殺し、またつるぎの刃にかけてハモルとその子シケムとを殺しシケムの家からデナを連れ出した。そしてヤコブの子らは殺された人々をはぎ、町をかすめた。彼らが妹を汚したからでアル。すなわち羊、牛、ろば及び町にあるものと、野にあるもの、並びに全ての貨財を奪い、その子女と妻たちを皆とりこにし、家の中にあるものをことごとくかすめた。そこでヤコブはシメオンとレビとに言った、「あなたがたはわたしをこの地の住民、カナンびととペリシテびとに忌みきらわせ、私に迷惑をかけた。わたしは、人数が少ないから、彼らが集まって私を攻め撃つならば、わたしも家族も滅ぼされるであろう」。彼らは言った、「わたしたちの妹を遊女のように彼が扱ってよいのですか」。
ハモルの子シケムが、ヤコブの子らの提案を受けて、町の人に「この人々はわれわれと親しいから、この地に住まわせて、ここで取引させよう。地は広く、彼らを入れるにじゅうぶんである。そして、われわれは彼らの娘を妻にめとり、われわれの娘を彼らに与えよう。」と割礼を受けさせたのに、ヤコブの子シメオンとレビは、町の男子を皆殺しにしました。
ところが、ヤコブは2人の息子の行為を非難したが、家族から排除せずその場を一族を連れて逃走し、次のようにヤコブは神に祝福されました。
(旧約聖書 創世記 第35章)
さてヤコブがバダンアラムから帰ってきた時、神は再び彼の前に現れて彼を祝福された。
・・・
神はまた彼に言われた、
「わたしは全能の神である。
あなたは生めよ、またふえよ。
一つの国民、また多くの国民があなたから出て
王たちがあなたの身から出るであろう。
私はアブラハムとイサクとの与えた地を、あなたに与えよう。
また、あなたの後ろの子孫にその地を与えよう」。
名古屋弁護士 伊神喜弘
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