西瓜(すいか)談義

趣味

皆さん。今年はもう西瓜は食べましたか。店で買ってくる西瓜の実はいやに堅いですね。わたしが、畑で作る西瓜の実は店で買ってくる西瓜のように堅くありません。実がほんとうに柔らかく美味しいです。なぜだか分かりませんが・・・。きっとお店で買う西瓜は長持ちさせるために、何か細工がしてあるに違いないと、思っています。私が、細工してあるに違いないとあまりいうので、妻が「農家の人がシャキシャキの西瓜を食べて貰うための努力していると言っていたよ。品種改良しているのではないですか。」と擁護していました。

 わたしは、仕事を持っているので、畑には1週間に1回程度しか行けません。特に夏になると草の管理(草が蔓延らないようにすること)が大変で作物を作るどころの騒ぎではありません。そこで、今年は、西瓜だけを作ることとし、草の管理を徹底しようと考えました(それでも、梅雨以降の草の管理は並大抵ではありません。)。そして、孫達に夏休みに西瓜を採らせようと思い立ったのです。

 予め、3月ころから、畑に耕耘機を入れて、石灰と肥料を撒きました。4月後半に5本西瓜の苗を買ってきて植え、霜よけのためのネットを張り、5月末にネットを撤去しました。6月にはいると梅雨に入ります。6月下旬頃に畑に行ってみると、毎日のように雨が降っているのに、大きな西瓜が10個以上もなっていました。雨が続くのに、よく受粉したなと感心しました。毎週いくたびに順調に大きくなっていきました。

 西瓜は採りどきが本当に難しいです。叩いて高い金属音がしているときは採っても色んで(熟して)いません。叩いてポンポンと低い音がしてから採らなければなりません。このように音を頼りに、熟し具合を判断し採るのですが、切ってみると、まだ色んでいない(十分成熟していない)こともあります。

 ところが用心して収穫が遅くなると、実が既に古くなっていることがあります。子どものころ、西瓜の実が一部、ニュルニュルとなっており、「障子が落ちている。」といって食べていました。これは採るのが少し遅れた西瓜だったのです。この点、今の西瓜は品種が改良されたためか、障子が落ちているのは見なくなっています。しかし、採り後れたと思われる西瓜は、その実がやや粗漏、粗雑(スカスカ)となっており美味しくありません。

 西瓜は収穫して包丁で切って見ないと解らないところがあります。西瓜を切って、中の実がどんな具合か、見て、食べるのが最大の楽しみです。

 7月に入っても、まだ梅雨が続いていました。十数個、なっていた西瓜のうち2個の音がやや低音でしたので、まだ早いかも知れない。こんなに雨ばかり降っているのに甘さが出ているのか心配でしたが2個採りました。家に戻って、妻と2人で西瓜を1個割りましたが、心配していたよう、ちょっと早すぎました。甘さも少し足りませんでした。しかし、若々しい実でした。

 1週間たち、2個採りました、お隣の畑の人に貰って貰いました。というのは、いつもお隣さんから、白菜だ、エンドウだ、キウリだ、枝豆だと頂いてばかりで、お隣さんも西瓜を栽培してはおられますが、貰って頂いたのです。残った、西瓜の音はその時の判断では、もう1週間か10日後に採ろうと、採りませんでした。

 翌週の日曜日に、畑に行くと、2個、鳥に頭頂部が突かれ、穴が開けられていました。そこでやむなく、その2個をまだ下半分は食べられると思って家に持って帰りました。すると、妻が、少し腐った臭いがするといいます。でも、大幅にカットし安全と思われる部分は、食べました。妻は、においがすると言っていました。「それは、昔、障子が落ちた西瓜のにおいだ。」と私は平気でした。

 次の週の日曜日に畑に行くと、隣の人が、カラスが西瓜を突いいていた、と知らせてくれました。このとき、残っている6,7個の西瓜を叩きましたが、まだ叩いた音の低さが足りないと判断をしました。

 この話を妻にすると、「もう採りに行こう。」ということになり、平日でしたが、妻と2人で、雨のなか畑に行きました。ところが、残っていた西瓜は1個を残して全部カラスにつつかれていました。

 草の管理はそれなりにしてきましたが、カラス対策を怠っていたのです。残念でした。妻から「鳥対策が不十分ではなかったか。」とさんざんに言われましたが後の祭りです。

 ところが、西瓜の蔓の先のほうに、沢山の西瓜の実(十数個はあります。)がなっているではありませんか。いわゆる、うらなり(末生、末成)です。広辞苑によると、「①瓜などの蔓の末に実がなること。また、その実。小振りで、味も落ちる。」「②顔色の青白い元気のない人をたとえている。」「③末の方の子」とあります。

※うらなりに対応する言葉はもとなり(本生)というそうです。カラスにつつかれたのはもとなり(本生)だったのです。

 それでも、朝、7時半頃にカラスが5、6羽飛んできて、畑の上を舞い始めました。うらなりの実も2個既に突かれています。

 妻から、カラス対策は大丈夫かといわれて、今度は、カラスに実をつつかれてはたまらないと、ネットで対策をとりました。

 その後、1週間ごとに畑にいっていますが、確かにうらなりはその実は大きくなりませんませんね。広辞苑の用例に、「うらなりの子をば転がし育てなり。」(柳樽五五)とあります。私もうらなり(末生)を大切に育てるつもりです。

名古屋弁護士 伊神喜弘

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